作業中のパワーショベルは運転席まで水に浸かっています。
人の背よりだいぶ高い。
復旧作業用の重機かと、その日その場では見過ごしていました。
津波で転写された泥の筋がハッキリと写っています。
【3週間目の大洗サンビーチ】
周囲はそこいら中に歩道のタイルが散乱。
ビーチバレー用のネットポールは折れました。
砂が流れないように作ったヘッドランドの残骸があります。
タイルのはげた歩道を海に向かって進んでゆくと、堤防が高くなっていました。
津波前は海側からひょいと乗り越えらる高さでした。
引き波で大量の砂がえぐられ、飛び降りるのに覚悟が必要な高さに豹変しています。
【ビーチクリーナー】
コンバイン型の重機がひっくり返ってました。
大洗町所有の海岸清掃用ビーチクリーナーです。
安全できれいな砂浜を造るため夏の間大活躍のマシンがこの有様です。
コンバイン(稲刈り機)はキャタピラのベース長が短いのでひっくり返ります。
上半身が重く、農作業中でもよくひっくり返る事故を聞きます。
波高から、完全に水没したことがわかります。
単独で転覆したのか、木にひっかかって裏返ったのかはわかりませんが
重機の搬入口が丁度水の通り道になったらしく引き波で返されたようです。
塩抜きでワザと裏返したのかも知れませんが、はて、そんなことをするのでしょうか。
パワーショベルの方も、水に浸かればオーバーホールをせねばなりません。
当日以来三週目が過ぎても、大きすぎた津波の深い爪跡が残しています。

大洗の津波が「4メートル」。
東北はその倍ですから、その威力は想像を超えます。
明確な避難指示 大洗・ひたちなかで津波犠牲者なし:茨城新聞ニュース
津波到達までの時間が長かったこと、町の防災無線が始終鳴り響いていたこと
また、高さが4メートルと市街地は海側のみの浸水だったこと。
人的な被害が最小で済んだのは、日頃の予防策のたまものです。
ただ、こういっては何ですが半分は「運」です。
大洗町は海から高台まで1キロほど。丘と海が接近しています。
大洗神社に至っては、神社の直下が海です。
商店街のある町の中心部も、場所にもよりますが浜から市街までおよそ500メートル。
高台までもう500メートルほどです。
高台には漁の安全と豊漁を願う神社がたくさんありそれぞれ階段が付きます。
東北沿岸部のように、遠くに山が見える平野ではなかったこと。
仮に車で逃げても5分ほどで高い場所にたどり着ける好条件です。
また波の高さが4メートルと比較的低くかたっことも、幸運です。
国道51号線と、旧堤防付近までの浸水です。
もし、東北のように10メートルの波が来ていたら、きっと町は無くなっていたことでしょう。