情報の海で泳ぐための7つの方法

プールで泳ぐための七つの方法なんてものはありません。スキーの検定一級を取るための七つの方法もありません。しかし、一億円稼ぐための七つの方法を信じる人が存在します。はてなブックマークとかNAVER まとめに多いですね。

北米で生まれ、日本に輸入したマーケティングやSEOのテクニックなのか「数字+方法」や「数字+コツ」と記事を書くように指示してるサイトを見かけます。「英語を学ぶための+数字+方法」など、どこかで見たことがあるかもしれません。

小手先のテクニックです。全部無視しましょう。

そして、自分の頭でこれ使えるの?と疑いましょう。

他人の考えをインストールして簡単にできるなら苦労しません。これが情報の海で泳ぐコツです。

ノストラダムスの大予言で有名な五島勉 は、女性週刊紙のアンカーマンです。アンカーマンというのは、編集のデスクの偉い人。見出し記事を書くのに長けています。

彼らは仕事で耳目を注目させるテクニックを駆使してきます。いちいち付き合っていると疲れます。「仕事で書いてるんだなあ」と視界の端っこでみて、たまに嗜む程度が大人の対処法です。

スキーでも車の運転でも何でも、コツだけ教えても伝わりませんよね。習おうという体系に入らない初心者になにか教えても役に立ちません。

すべての弟子に同じように教えても伝わりません。自分の身に付けた知識を一度ばらばらに解体し、ひとりひとりに合わせて分かるように説明するのがコツの伝授だとおもうので、一般化されたまとめページの一枚で分かるとも思いません。ためしに、一番好きな映画でもアニメでも作家でも、まとめのページを調べてみるとわかりますが納得できるほどまとまっていることは稀です。

私自身がそうでした。20代後半は教条的なことを言いたがるものです。ネットユーザーの一番活発な層がちょうどその世代で、上の世代は仕事に忙しくテキストを書く暇はありませんし下の世代は携帯電話です。

本屋で売ってる本でさえ人間の芯まで届くものは少ないのに、人生が変わるようなことがwebに書いてあるとは思いません。感受性豊かな若者や、出版物に触れる機会がないまま最初からwebに来た子供はきっと感動する三つの方法とか七つのコツなんて言葉を見つけるかもしれませんけど、それはすこし残念に思います。

本は「深く読む」ことができますが、webはその場限りです。