道具

アルミ板の厚みは1.5mmと2.0mmを使用。3ミリも用意しましたが実際使わず。

VP13の外径が606zzベアリングの外径と一致します。マーリンタイプを作るには弓形のアルミパイプが必要です。私はアルミ16ミリパイプを冷間で曲げました。

アルミ素材・アルマイト

アルミ板の厚み

アルミ板は1ミリ厚では薄すぎます。乗せるカメラ次第ですが、主に1.5㎜厚を使います。2mm厚になると強度がでます。大きな穴を開けても丈夫です。3㎜から上はほとんど使いません。パイプが16㎜、取付がM6と決めて作ったので私の作例はギリギリの強度です。一眼レフから上を乗せる場合は、パイプ径を20以上にするつもりです。アルミ板も2㎜厚か3㎜厚にするか、鉄の座金を使うことになるでしょう。パイプやアルミ板は、ホームセンターで購入できます。フライス加工用のさらに肉厚のものや、特殊な径のパイプは通信販売へ。たとえば22mm径2mmの肉厚パイプなどちょっと特殊なものもネット通販です。コンパクトデジタルカメラを使う私の作例ではアルミ板は1.5mm、アルミパイプは1mmで十分です。あまりに厚い素材は加工が大変になります。

基本的に手動の工具を使います。電動工具はドリルのみ。最低限必要なのは作業台。刃物はカッター、切りだし小刀、彫刻刀を使います。ヤスリは組ヤスリのセットと、100円ショップのものを混ぜて使います。金属用を基本にドリルの刃を使います。ノコギリは金属用のものを主に使いました。パイプカッターはあると便利。

工作に必須のもの

まず必要なのは暇です。時間がないと設計ができません。ゼロから開発を始めると年単位で時間を浪費しかねない危険な遊びです。私はものを手に入れるほかに設計と加工までの技術の習得を目的としていましたので時間がかかっても平気でした。自作機が手に入ることよりも、物をつくるノウハウを手に入れてたことが宝です。

材料費だけでステディカムでいうと中級機の「パイロット」が変えるほどのお金をつぎ込みましたので、今思うと買った方が良かったかも。使えるまでに時間がかかりますから、アルミを多用していたときはかなり工作が大変でした。アルミパイプを曲げるのにコツが必要ですし、薄いアルミ板をまっすぐ切るだけでもそれなりに慣れが要求されます。

2013モデルになってようやくほとんどの工作が木工だけで済むようになりました。工夫すれば簡単に作れるのは確かです。ただ、設計段階ではいろいろ考えてしまうので外注加工を出そうかとか、金属加工が出来るフライス盤を買おうとか果ては3Dプリンターを使おうかなんて考えたほどです。

2014モデルくらいになると作り方もこなれてきました。三軸方向すべてをベアリングで可動させるにはわりと手のかかる設計をして完成させました。とはいっても他のページで公開しておりますようにありきたりのDIY部品だけで組み立ててあります。

安物を買うと使えない

残念なことに、安い物はいろいろと部品が足りません。形つくって魂入れず。ただ形だけ作るひどい製造元があります。それを平気で輸入するショップがあります。そんなひどいことは極々レアなケースかと思いきやそうでもなく、みているとまたぞろ増えていくのが悲しいです。きちんとした輸入代理店を通して正規品を買いなさいとまではいいません。良い物を使ってください。

良い物はどんなものか

単に値段が高いだけでは不足です。ろくでもない物にも高値を付けることは簡単です。てっきり高いから良い物だと勘違いさせる作戦に引っかかってはいけません。安物買いの銭失いとはよく言ったもの。見てくれだけで中身のないものが増えつつあります。あまりに普段中身のないものを見過ぎていると、そのうち中身があるものとないものの区別がつかなくなります。「悪貨は良貨を駆逐する」わけです。ああ、それを掴んでしまったかと残念な気持ちになります。

どうかんがえても機能が満たない製品を販売していたお店が、今度新製品を出すにあたり「これまでの製品はダメだ、そこでコチラ!」なん広告を打つのをみていると、ハリーライム並みに商売が上手ですねと褒めて差し上げたくなります。物の分っていない人間に未熟な品物を掴ませてお金持ちになるのも資本主義のルールではありますが、道義的には気に入らないものです。

長いこと自作を続けていると、そのうち機能と設計が見えてきます。できあがりの製品をみて製造コストを計算するのは簡単です。だいたいダメなものを掴む人は次から次に掴みます。いわゆる青い鳥症候群に陥りがちです。作っていると常に改善欲求が起りますし、未知のものを最初に買うリスクを背負える人は見る目があるのですが、二番手はともかく三番手くらいになるとなんだか訳の分らない人がでてきます。よくアマゾンレビューでとんちんかんな答えをしている人がいますがあのような残念な気分になります。

残念な人が残念な物を掴んで悲しむくらいなら、最初から作って失敗してそのうち上手くなるまで残念がっている方が建設的な残念です。




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